私傷病休職の期間満了による退職
【Question】
当社の従業員Aは、私傷病のため休職を続けておりますが、再来月の月末をもって休職期間が満了します。病状の推移から業務に従事できるまでに回復する見込みは低く、このまま行くと就業規則にある「休職期間が満了しなお休職事由が無くならない場合には退職とする」という規定により退職することとなります。この場合の退職については、どのような点に注意することが必要でしょうか?
多くの企業では、私傷病に伴う休職制度と休職期間の満了に伴う退職の規定が置かれています。休職とは、会社の責任に寄らない事情によって従業員が労務の提供が出来なくなったり、又は労務の提供を受けることが望ましくない状態となった場合に、一定の期間雇用関係を継続したまま労務の提供を免除する制度です。休職期間中はノーワーク・ノーペイの原則に基づいて給与等の支給を行わないことが原則となります。
私傷病によって労務の提供が出来なくなる状況は「労務提供者である従業員側が負うべきリスク」とされ、休職制度がない場合には「労務不能」を理由とした退職(≠解雇)を余儀なくされます。しかし、私傷病の場合には一定期間で回復が見込まれることから、会社にとっては新たに人員を採用するよりは回復後に復帰してもらったほうがトータルコストが抑えられ、また、従業員にとっては安定した雇用環境の中で安心して働くことができることから、多くの企業では休職制度を設けているのです。
ご質問の内容に戻りますと、「私傷病休職の期間満了による退職」については主に以下の点に注意が必要となります。
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勤務成績の悪い社員を辞めさせたいが・・・・
【Question】
当社では30名ほどの従業員が勤務しておりますが、幹部従業員(課長級:40代)の中に残念ながら期待する成果を発揮してもらえない方がおります。会社としてはこれまで再三再四にわたって教育指導を行ってきたつもりですが、芳しい結果は得られておらず、本人自身も仕事に対する熱意をもてないようです。
縁故入社ということもあってこれまでは見て見ぬ振りという状況も続いておりましたが、現在では他の従業員のモチベーションにも影響が出始めており、経営者側としてはこのまま状況を放置出来ないと感じております。このため、経営環境も大変厳しく人件費にも余裕が無い状況であるため、可能であれば辞めていただきたいと思っているのですが、何とか円満に進めるための方法は無いでしょうか?
当事務所に寄せられる相談の中には、解雇・退職に繋がる話も多いのですが、毎回大変頭を悩ませながらの回答を考えております。今回のご相談では、会社の経営状況や本人の勤務態度・成績、また、職場環境などを考慮すると、当該従業員には当社での職を離れていただくこともやむを得ないと判断できる状況でありました。
しかし、残念ながら、ご相談のような状況下では「解雇」という選択肢を選ぶことは困難であると考えざるを得ません。労働法の考え方では「解雇は、客観的に合理性を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、権利を濫用したものとして無効とする。(解雇権濫用の法理:労働基準法第18条、労働契約法第16条)」という確立した法理があり、今回のケースでは客観的合理性について争いになる可能性が高いと考えられるためです。
この会社の就業規則を確認したところ、解雇(いわゆる普通解雇)の条件として「勤務成績が著しく不良であり、尚改悛の情が認められないこと」とありました。会社から見れば、再三にわたる教育指導の結果も改まらない状況下では、この条項を適用して当該従業員を解雇したいところなのです。しかし、「成績が著しく不良」や「改悛の情が認められない」ということを客観的に証明することはそもそも難しく、従業員側が納得しなければ間違いなくこの点を「争点」として訴えてくることになります。このように、勤務成績や勤務態度の不良とした「解雇」は不可能とは言わないまでも、一般的に「争いの種」を抱えることになります。
しかしながら、経営側としては「それでも、できれば辞めて頂きたい」と考えるのが人情。そこで必要となるのが、「解雇」という選択肢を取らずにやめていただく方法である「勧奨退職」です。
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